お役立ち情報

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これからの法改正の動き

募集条件を変更して労働契約を結ぶ場合、書面等での明示を義務化へ

厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会で「職業紹介等に関する制度の改正について」の報告書がまとめられました。ポイントは、次のとおりです。

●求人・求職の申込みの拒否

公共職業安定所、職業紹介事業者等が求人の申込みを拒否できる場合として、次のケースが追加されます。

1.求人者(事業者など)が労働関係法令違反で処分・公表等の措置が講じられた場合
2.求人者が、暴力団員、役員に暴力団員がいる法人、暴力団員がその事業活動を支配する者等に該当する場合
3.求人者が、正当な理由なく一定の報告または資料の提出に応じない場合

●労働条件等の明示、指導監督

求人者、労働者の募集を行なう者、労働者供給を受けようとする者は、労働契約締結時に提示しようとする労働条件(賃金、労働時間等)が、次の場合に該当するときは、その旨をその労働契約の相手方となろうとする者が認識できるよう書面等で明示しなければなりません。

1.当初において明示していなかった労働条件等を新たに提示しようとする場合
2.当初の明示において一定の範囲をもって明示した労働条件等を特定して提示しようとする場合
3.当初に明示した労働条件等と異なる内容の労働条件等を提示しようとする場合

虚偽の条件を提示し公共職業安定所等に求人の申込みを行なった場合、罰則対象とされます。

●固定残業代、有期労働契約の際の規定の明確化

労働条件等の明示義務に係る事項について、次の内容の明確化が求められます。

1.固定残業代に係る計算方法や固定残業代を除外した基本給の額等の明示
2.有期労働契約を締結する場合は、その契約が試用期間の性質を有する場合でも、試用期間満了後に締結する労働契約に係る労働条件ではなく、その試用期間として定めのある労働契約に係る労働条件を明示

この報告書を踏まえて、平成29年の通常国会に職業安定法の改正案を提出する予定です。

注目したい法改正の動向

  • 休眠預金活用のための準備室を設置
  • 政府は、休眠預金活用法の成立に伴い、事務の準備を遅滞なく進めるため、内閣府に準備室を設置しました。
    今春にも休眠預金活用の審議会が設置され、「基本指針」「基本計画」を検討・策定し、平成31年には実際に運用を開始するとしています。
    休眠預金等は「預金保険機構」へ移管され、預金者への返還に係る部分は金融庁が所管することになります。
  • 公益通報者保護制度の見直し
  • 消費者庁の有識者検討会は、公益通報者保護制度について見直しの方向性を盛り込んだ報告書を大筋で了承しました。
    現行の制度では、通報者として労働者のみが保護対象となっていますが、これに退職者を含めることが適当とされました。
    さらに、役員等、取引先事業者、労働者の家族等を対象に含めるか否かについては、引き続き検討が必要とされました。今後も議論を重ね、公益通報者保護法の改正案を平成30年の通常国会へ提出するとしています。
  • 公共ビッグデータを企業に開放へ
  • 人口減少や市場規模の縮小などで疲弊している地方経済にとって、成長が期待できる事業を呼び込むことが課題となっています。
    このほどまとめられた経済産業省の「地域経済牽引企業を軸とした『地域未来への投資』の促進に向けて」では、成長が期待される事業分野として、次の5つが挙げられています。
    (1)先端ものづくり(医療機器、航空機、新素材等)
    (2)農林水産、地域商社
    (3)第四次産業革命(IoT、AI、ビッグデータ活用)関連
    (4)観光・スポーツ・文化・まちづくり関連
    (5)ヘルスケア等このうち、第四次産業革命については、地方公共団体が保有しているビッグデータを開放し、民間活用につなげるよう促すとしています。
    今後、企業誘致に取り組む地方自治体を支援する企業立地促進法を全面的に見直し、平成29年度税制大綱に盛り込まれた地域未来投資促進法へと移行する予定で、法案は平成29年の通常国会への提出を目指します。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売